ナイル株式会社

「面接だけの採用は絶対に無理。」7つの選考プロセスを設けるナイルの採用活動とは

会社紹介

「デジタルマーケティングで社会を良くする事業家集団」をビジョンとし、デジタルマーケティング事業、メディアテクノロジー事業、モビリティサービス事業を展開。2021年「50億円」の大型資金調達を実施し、今後は自動車×Techのさらなる投資を加速させるとともに、既存事業とシナジーのある企業のM&Aなども検討し、全社的な多角化・挑戦を行っている。

業種

IT/Webマーケティング・ネット広告

社員数

100~300名

課題

  1. 本人が提示する書類や面接、スキルチェックだけでは見抜くことはできない潜在的な候補者の情報が知りたい
  2. 求めるスキルや人物像を見極めるために候補者の多角的な情報を集めて判断したい

効果

  1. 候補者の方の強みや苦手なこと、仕事上での他者とのコミュニケーションについてなど、
    面接や筆記試験では見ることのできない候補者の一面を知ることができるようになった
  2. 実際に一緒に働いたことのある方からの意見をみれることで、
    入社後の活躍を見据えて選考を進めるための材料の一つとなった

「社会に根付く仕組みを作り、人々を幸せにする」をミッションとし、 デジタルマーケティングノウハウを強みに、Web/アプリ/自動車の3つの領域での事業展開を行っているナイル株式会社。常に挑戦し続け、更なる勢いでこれからも事業拡大していくナイル株式会社で、採用や組織開発に携わる取締役 人事本部 本部長土居さん・採用グループマネージャー 渡邉さんに、採用についてのお考えやback check の活用方法をお伺いしました。

事業成長において最も注力すべきことは「やりきる力」を持つ候補者を採用し続けること。



御社は選考フローを丁寧に作り込まれている印象がありますが、なぜそこまでこだわるのですか。

ナイルの選考フローは「1次面接-適性検査-人事アンケート-ワークサンプルテスト-リファレンスチェック-2次面接-3次面接」の7つの選考プロセスを通じて、企業と個人お互いのマッチングを判断しています。しかし、このような様々なステップを踏んでいてもミスマッチは完全に防ぎ切れておらず、日々試行錯誤をしています。
 例えば、事業の調子が良い時には問題は起きなかったが、事業の調子や数値が悪くなった時にそれでも踏ん張りきれるかどうか、復調のためにやりきれるかどうかを重要視しています。そのような事態に陥った時に諦めるのではなく、挑戦し続けることができる方が弊社では活躍できる人材と考えています。 そのような方は弊社の事業成長においてはミスマッチだと考えており、それを見極めるために選考フローを作り込んでいます。


一般的に、採用したい現場からすると採用工数がかかることにはネガティブ反応が出るイメージです。貴社では現場から懸念は出なかったのでしょうか?

もしかしたら弊社特有の文化なのかもしれませんが、現場からの反対や採用部署内での反対意見は現状起きていません。採用選考時点で工数がかかることよりも、入社後のミスマッチが起きてしまうことや入社後オンボーディングが失敗してしまうことが結果としてコストパフォーマンスが悪いと全社的に考えています。
 そのため、適性検査やワークサンプルテスト、リファレンスチェック導入においても現場に対しては、「課題を解決するために導入しました」という共有と説明のみで何も問題は発生していません。課題解決に繋がる合理性と現場に対するオペレーションコストが発生しなければ、基本的に反対意見を言われることはないですね。

例えば、2016年に短期離職を防ぐことを目的として、スキルの期待値調整や見極め力を強化するためにワークサンプルテストを導入しました。その際には、テストの作成と結果のチェックに現場の工数がかかるという観点で、一部懸念の声があがったことはありました。しかしながら、その後に導入したback check は現場の工数は全くかからないないので、反対意見がでなかったことを覚えております。

リファレンスチェックを導入しようと思ったきっかけはありましたか?

以前、非常に評価高くオファーを出した方がいたのですが、入社直前になって重大な経歴詐称が発覚したことがきっかけです。この経験を経て、弊社では本人が提示する書類や面接、スキルチェックだけではその方の本質を見抜くことはできないな、という潜在的な課題があることに気づきました。
現場からすると、成長していくためのリソース確保が最優先のため、入社後の活躍を見据えずに採用してしまうことが起きていました。だからこそ人事で思考を整理し、候補者に期待するミッションを言語化させ可視化していくことが重要だと考えました。

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採用の責任は現場の責任。採用基準の整理と見極め手段の提供は人事の責任。

今までのお話を聞いていると採用の責任は人事が持つ、という意味にも聞こえるのですが、実態はいかがですか?

採用責任は現場の責任者に持っていただきます。入社後、採用して活躍しているのか、ミスマッチは起きていないのかを常に追いかけられる人でないと責任を取ることができないためです。入社してから問題が発生した場合、そのリカバリーは受け入れ部署の対応となるので、あくまで採用する部署が責任を持って『採用する・育成する・パフォーマンスを発揮できるよう支援する』ことは一貫して行うべきだと考えています。

では、一方で人事の責任範囲はどのように決まっているのですか?

人事の責任は採用基準の運用です。例えば、採用委員会という制度を設けており、1人の候補者の最終的な意思決定に関して、人事や現場、役員でMTGを行っています。時には、30分以上かけても決まらず次に持ち越しみたいなこともあります。基本的には満場一致で合格、という状況にならなければ、内定を出しません。
 内定を出す場合にはどういうオファー条件にするか、何を期待するか、ミッションと期待値の調整を行います。内定にするかどうか意見が割れる時は、「人柄はいいけれどスキルが足りない」とか、「スキル経験はいいけれど、チームの特性を考えるとポジションを変更したらよいのではないか?」といった意見が出てくるので、人事はここで妥協しないスタンスをとっています。
 「現場がいいなら採用していいんじゃない?」で採用してミスマッチだった場合は人事の落ち度。そこまで議論を尽くした上で、「この候補者は条件付きだけれど、ここまでこうやって乗り越えれば大丈夫」という具体的なところまで言語化させるのが人事としての責任です。

他社様のお話をお伺いすると採用の責任の所在について曖昧な企業が多い印象です。どんなことをきっかけに明確な責任範囲が決まったのですか?

正直に申し上げますと当初は弊社も曖昧でした。例えば、現場としては絶対に採用したいと思っていても、経営層や人事がやめたほうがいいと感じている候補者に対して、責任の所在を決めないまま進むことが多くありました。しかし、ワークサンプルテストを導入した2016年頃に採用委員会を作り、各所の責任範囲を明確化させるように動きはじめました。
審議は人事や経営層が行い承認、最終決定と責任は候補者を採用する事業責任者が持つということで現在は分けて運用しています。

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見極めの課題がなくなることはない。だからこそ良い人材を採用するための手段を模索し続けなければならない。

ワークサンプルテストとリファレンスチェック、どちらも最近よく聞くことが多いワードですが、両方実施してみていかがですか?

正直、60分の筆記テストでわかることは限られています。性格適性検査、back check、ワークサンプル、面接など全ての採用活動で活用するツールにおいて、候補者について知れることと知れないことが存在します。しかしこれらを全て活用することで少しでも判断材料を増やし、多角的に見ることで候補者のことをより深く知ることができると考えています。
これらの情報のどれかだけで見極めることは出来ません。全ての情報を活用した上で、弊社の求める候補者像にマッチしたときに初めて採用候補にあげるというプロセスで行っています。

ごく稀に「面接で候補者のことは分かるから大丈夫」とおっしゃる人事の方がいらっしゃいますが、面接だけの選考フローでは危険です。すごい営業はいても、商談にいったら絶対受注できる営業がいないのと同じで、『絶対』は存在しません。どんな人がそのポジションに絶対にあっているのか、会社にマッチしているのかは実際に入社していただいて一緒に働かないとわかりません。だからこそ、採用は様々な側面から見て答え合わせをする以外に方法はないと考えています。
 入社後活躍しなかったケースに関しても、人事としてはいい人材と思っていたが何がいけなかったのか、絶対ワークしないと思った候補者が意外と入社後活躍したのはなぜなのか、などの失敗と成功の経験の振り返りを細かく行うことで、今後入社される方々のよりよい活躍への道を作るためのアイディアが生まれます。「意外だったな」と感じた積み重ねが経験値となっていくのです。このようなPDCAを意識しないから、見極めも曖昧にしてしまったり、「なんとなく活躍していることにしてしまう」という結果が生まれるのだと考えています。


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企業と個人双方のミスマッチを防ぎながらも、採用目標を達成するために振り返りを徹底し、改善を全員で考える。

実際に入社された方の振り返りをするという話がございましたが、どのような周期で行っているのですか?

期待した通りの立ち上がりができていないのでは?という懸念があがった時点で、都度採用に関わった現場や人事、役員とともに、期待に対してどこが追いついていないのか、どうやったら期待に追いつけるのか、採用時に追加でどのような確認をしておけばよかったのか、期待値コントロールをしておく必要があったのか、という振り返りを行います。採用方針変えた方がいいのではないか、この部署はもうちょっと人事が入って整備した方がいいのではないか、などといった具体的なトライアンドエラーを都度行っています。
 その上で上記のような状況と再度遭遇した時、「悩むけれど採用してしまおう」という気持ちを抑えるようにしています。実は今日も直前まで会議で悩んでおりまして・・。去年だったら、現場が責任持ってマネジメントするならいいんじゃないか、と言って採用してしまっていたと思いますが、踏みとどまって現場に差し戻しができるようになったのは組織的にも成長だと思っています。

採用担当の立場として採用数の目標を追うこと、見極めを強化することは相反するともとれるのですが、そこはどう考えていますか?

正直採用側の立場としては、採用目標を追いつつもマッチした人を採用しなければいけないので苦しいです。営業で言うと、受注目標はあるけれど目標達成だけのために妥協してとにかく受注を取ってくればいいわけではないという状態ですね。
 ただそこをしっかりやらないと結局ミスマッチになってしまい、補填枠を埋めなきゃいけなくなります。つまり、良い人を採用するということは「ミスマッチによる離職」の補填を埋めることになるので、将来の自分を楽にするわけです。加えて、良い人材が活躍し、定着率もあがり、事業が伸びる。当たり前ですが、この循環が回れば採用力も高まっていくわけです。

だからこそ、世の中の採用担当のみなさまには足元の採用目標だけではなく、将来の自分や組織を見据えて採用活動を行って欲しいと思ってます。

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事業部と人事間での認識のずれを無くし、求める人材を採用できるように日々試行錯誤し続ける

完璧にまで見える御社の採用ですが、今後取り組もうと思っていることがあれば教えてください。

近々の課題にあがっていることで言えば、求人要件についてです。今までは現場から上がった内容を人事側で調整して掲載していましたが、本当にこのスキルでいけるのか、本当にこの経験年数は必要なのか?など以前よりもかなり細かくすり合わせるようにしています。そのような課題を解決するためにHRBP制度を取り入れました。
 以前は求人要件を決定する際に現場責任者からマネージャーにコンセンサスを取る流れで社内の合意形成を図っていたため、スケジュール通りに物事が進まないことがありました。人事と現場の間にHRBPが入ることで採用の市況感と現場での課題感を間をとった求人要件に落とし込むことができるようになりました。
 また、社内で評価制度として持っているグレード制を採用の要件定義にも紐づけて、どのグレードの人が必要なのかと建設的な議論ができるようになりました。これはHRBP制度で人事が細かく各事業部に入ることができるようになったからだと思っています。

今年から、HRBP制度を活用して組織のパフォーマンスをあげるための施策にも取り組んでいます。例えば、各チーム内でパフォーマンスが上がりきらないケースなど、外からは分かりにくい細かな要因を見つけ出し、一つずつ解決できるようにすることで全体の組織内のパフォーマンスを上げる取り組みです。そういった小さい事象を解決していくことがより良い組織を作りあげる上で必要だと考えています。

正直、ようやく基盤が整ったというフェーズですし、back check に限らず、新しい採用の手段というものは常に探し続けたいなと思っています。 自分たちの目や主観情報があくまでも参考情報にしかならないという謙虚さと、ファクト情報を元に今後もナイルを成長させ続けるための採用活動を行っていきます。


本日はありがとうございました!

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スタートアップから大手企業まで、多くの企業がback checkでリファレンスチェックを行っています。